15 February.
犬がトイレを覚えない!覚えたのに失敗する理由としつけのやり方
生後5〜6ヶ月の子犬から1〜2歳の成犬まで、時期別の悩みや「トイレを覚えない犬種ランキング」の真相、そして今日から実践できる具体的な対処法をプロの視点で徹底解説します。

「あぁ、また…」と、床に残されたおしっこの跡を見て、深いため息をついていませんか? せっかく新しい家族として迎えた愛犬。仲良く楽しく過ごしたいのに、毎日のトイレ掃除に追われ、カーペットはシミだらけ。
正直「もう疲れた」「イライラしてしまう」と感じるのは、あなたが決して冷たい飼い主だからではありません。それだけ真剣に向き合っている証拠です。
実は、犬がトイレを覚えない、あるいは一度覚えたのに失敗し始めるのには、必ず理由があります。
この記事では、生後5〜6ヶ月の子犬から1〜2歳の成犬まで、時期別の悩みや「トイレを覚えない犬種ランキング」の真相、そして今日から実践できる具体的な対処法をプロの視点で徹底解説します。
なぜ覚えない?犬がトイレに失敗する5つの原因

「叱っているのに治らない」のは、根本的な原因がズレているからかもしれません。まずは、愛犬の環境が以下の「失敗チェックリスト」に当てはまっていないか、冷静に見てみましょう。
トイレの場所が「落ち着かない」
人間だって、駅のホームのど真ん中で用を足せと言われたら無理ですよね。犬も同じです。
- 人の出入りが激しいドアの近く
- 洗濯機の振動やテレビの音がうるさい場所
- ごはんを食べる場所のすぐ隣(犬は寝床や食事場所を汚したくない本能があります)
これらに該当する場合、犬は「ここでは安心して集中できない!」と感じています。
足裏の感覚が紛らわしい
犬は「場所」だけでなく「足裏の感触」でトイレを覚えます。 トイレシートのふわふわした感触と、リビングのカーペットや玄関マットの感触が似ていると、犬は混乱します。彼らにとっては「このフカフカしたところは全部トイレ」という認識になっている可能性があるのです。
「失敗=構ってもらえる」という勘違い
おしっこを失敗した時、「あーっ!ダメでしょ!」と大騒ぎしていませんか? 実はこれ、犬にとっては「おしっこをしたら飼い主さんがこっちを向いて、大きな声で話しかけてくれた(=遊んでくれた!)」というご褒美になってしまうことがあります。
過去の失敗を叱られた恐怖
「チョコ!ダメでしょ!」と名前をセットにして叱るのは、実はもっとも避けたい行動です。 犬は「名前を呼ばれる=嫌なことが起きる」と学習してしまい、肝心な呼び戻しができなくなったり、名前を呼ばれても逃げるようになってしまいます。
トイレが汚れている
犬は意外ときれい好き。一度使ったシートが濡れたままだと、「足が汚れるから嫌だなぁ」と別の場所(乾いたカーペットなど)を探し始めます。多頭飼いの場合は、他の犬のニオイが残っているのを嫌がる子もいます。

【月齢・年齢別】トイレのしつけのコツ

「うちの子、もう○ヶ月(○歳)なのに……」という焦りは禁物。年齢によって対策は変わります。
5ヶ月〜6ヶ月:好奇心旺盛な「うっかりさん」期
この時期のトイレの失敗は、反抗期やしつけの退化ではなく、体の未発達と好奇心の強さによる「うっかり」がほとんどです。
「うっかり失禁」が起こる原因
- 体の未熟さ:膀胱(ぼうこう)の筋肉がまだ完全に発達していない。
- 遊びへの集中:おもちゃや飼い主さんとの遊びに夢中になると、尿意を忘れてしまう。
- 結果として「あ、出そう!」と気づいた瞬間には、その場で漏れ出てしまいます。
対策としては、行動範囲を広げすぎないこと。サークルを活用し、成功率を物理的に上げましょう。また、1〜2時間おきにトイレへ連れて行く「タイマー管理」が効果的です。

1歳〜2歳:自我の目覚めと「反抗期」
一度完璧に覚えたはずのトイレを失敗し始める時期ですが、これはしつけを忘れたわけではなく、心と体の成長(自我の目覚め)が原因です。
突然失敗し始める3つの主な原因
- ホルモンバランスの変化:成犬へと近づくことで、体内のバランスが大きく変化するため。
- マーキング(縄張り意識):自分の存在をアピールしたいという本能的な欲求。
- 飼い主さんへの不満:パピー期を過ぎて「以前より構ってくれなくなった」という寂しさから、飼い主さんの気を引くためにわざと失敗しているケース。
叱るのは逆効果。基本に立ち返り、成功した時に「パレード級」に褒めちぎるスタイルを再開しましょう。
「もう疲れた…」イライラを解消する心の持ち方

SNSを開けば、「パピー教室初日にマスターしました!」なんてキラキラした投稿が目に入ります。それに比べてうちは……と、自分を責めていませんか?トイレの習得に「遅い」はあっても「手遅れ」はありません。
「1勝99敗」から始めよう
今日は全部失敗したけれど、一滴だけシートにかすった。それだけで「成功」です。明日は2勝を目指せばいい。それくらいのゆるい気持ちでトイレトレーニングをする方がうまくいきますよ。
掃除を「イベント」にしない
失敗を見つけたら、感情を無にして片付けましょう。おすすめは、お気に入りの香りの消臭スプレーを用意すること。「あー、いい匂いになった。ラッキー」くらいのスタンスで、淡々と処理します。飼い主さんのイライラが消えると、不思議と犬もリラックスして成功しやすくなります。
トイレを覚えない犬種ランキングの真相

「○○犬はバカだから覚えない」なんて噂を聞くこともありますが、それは大きな間違いです。ただし、犬種ごとの「特性」により、教え方に工夫が必要なケースはあります。
- 柴犬・日本犬: 清潔好きで、自分のテリトリー(家の中)を汚したくない。外での排泄がメインになりがち。室内ではベランダに近い場所など「外」を感じる場所に設置するのがコツ。
- ダックスフンド: 頑固で一度決めたルールを変えたがらない。また、胴長な体型ゆえに、自分ではシートに乗っているつもりでも、お尻がはみ出してしまう「物理的失敗」も多いです。
- トイプードル: 賢すぎて、飼い主の反応を読みすぎる。失敗して「構ってちゃん」になっている可能性があります。失敗したら構ってもらえると思っているかもしれませんよ。
- チワワ: 膀胱が小さく、排泄回数が多い。トイレの数を増やす、または広い範囲にシートを敷く。
結局のところ、どの犬種も「その子に合ったやり方」を見つければ必ず覚えます。ランキングを気にする必要はありません!
トイレを覚えたのに失敗する時に取り組みたいこと

「前はできていたのに!」という場合でも、やり方は同じ。まずは以下の3ステップを試してください。
排泄サイクルを再把握する
まずは、愛犬が「いつ」おしっこをするか、3日間だけメモを取ってみてください。
- 起きてすぐ
- ごはんを食べて15分後
- 激しく遊んだ後
- 水を飲んだ後
パターンが見えてきたら、その時間の5分前にトイレへ誘導します。誘導する際は、抱っこではなく「自力で歩かせる」のがポイント。
成功体験の難易度を極限まで下げる
今の愛犬にとって、広いリビングで一枚のシートを見つけるのは難しいのかもしれません。 一度、サークルの中を「全面トイレシート」にしてみてください。どこでしても「成功」になります。
成功したら、すぐに「最高のおやつ」で「全力の褒め」てください。 犬の記憶維持時間は非常に短いです。排泄が終わってから3秒以内に褒めないと、犬は何に対して褒められたのか理解できません。
失敗は「無言・無表情」で掃除する
失敗を発見しても、愛犬の名前を呼んだり、ため息をついたりしてはいけません。 「無(む)」です。 犬を別の部屋に移すか、視界に入らないようにして、サッと片付けます。片付けた後は、必ず後述する「徹底消臭」を行ってください。
逆転の発想!トイレ環境を「物理的に」変えてみる

しつけではなく、道具や環境を変えるだけであっさりと成功することもあります。
シートのサイズを「ダブル」にする
「小型犬だから小さいシートでいいや」という思い込みが、実は失敗の原因になっているケースは本当に多いですよね!
こちらも、ワンちゃんの習性を踏まえたシート選びのコツと、的を大きくするメリットがパッとひと目でわかるように、綺麗な箇条書きに整理しました!
シートのサイズを「ダブル(またはそれ以上)」にする
犬の体のサイズに合わせてトイレシートの大きさを決めるのではなく、ワンちゃんの「排泄時の行動」に合わせてサイズを選ぶのが成功の秘訣です。
「レギュラーサイズ」で失敗しやすい理由
- 犬は排泄をする前に、その場で「くるくると回る習性」があります。
- 小型犬であっても、くるくる回っているうちにシートから足がはみ出してしまい、結果的に枠外で失敗してしまいます。
おすすめの改善策
- 思い切って「ワイドサイズ」、あるいはさらに大きな「スーパーワイドサイズ」に変更してみる。
サイズを大きくするメリット
- 成功率が劇的に上がる:ワンちゃんにとっての的が物理的に大きくなるため、はみ出しによる失敗がなくなります。
- 飼い主さんの負担軽減:枠外へのお漏らしが減るため、床掃除の手間がなくなり、しつけに対するストレスが激減します。
はみ出し防止の「壁」を作る
平面のトイレシートだけでははみ出してしまう場合、トイレを「立体的(3D)」にするアプローチが非常に有効です。
「壁」があるトイレが犬に効果的な理由
- 男の子の習性対策:オス犬が足を上げておしっこをする本能的な行動にしっかり対応できる。
- 女の子の安心感アップ:メス犬であっても、壁際などの「囲まれた狭い場所」の方が落ち着いて安心して排泄できる子は多い。
「壁」の作り方
- 市販品を使う:市販されている「L字型の壁付きトイレトレー」を導入する。
- 100均グッズでDIYする:100円ショップの「プラスチックボード」や「ワイヤーネット」を組み合わせて、トイレの三方をぐるりと囲む。
「トイレの素材」を変えてみる
- 人工芝マット: 野生の本能を刺激し、外での排泄が好きな子には特におすすめです。シートの上に人工芝を重ねるだけで、そこが「お花摘みの場所」だと認識しやすくなります。
- メッシュ付きトレー: 足裏が濡れるのを嫌がるきれい好きな子には、シートの上にメッシュがついたタイプがおすすめ。足が汚れず、シートを噛みちぎるイタズラも防げます。
- 布製シート: カーペットでばかり失敗する子の場合は、あえて洗える布製トイレシートを試すのも手です。
犬は足裏の感覚に対して、非常に鋭いこだわりを持っています。実は「紙のシートの感触」そのものを嫌がる繊細な子もいるのです。 そんな時は、思い切って素材を変えてみましょう。
「足濡れ」を徹底的に防いでみて
一度覚えたトイレを急に行かなくなる原因のトップ3に入るのが、「足の裏がおしっこで濡れることへの不快感」です。
ワンちゃんがトイレを避けるメカニズム
- 非常に綺麗好きな犬は、一滴でもおしっこが残っているシートに乗るのを嫌がります。
- 「トイレに行くと足が汚れて不快だ」というネガティブな記憶がついてしまうと、別の場所で粗相をする原因になります。
【対策①】トイレシートを高機能なものに変える
- 瞬間吸収タイプのシート:おしっこをした瞬間にサラサラに乾くため、足への逆戻りを防げます。
- 消臭炭(炭入り)シート:おしっこの跡が目立たない色(グレーなど)になっているため、視覚的な汚れを嫌がる子にも有効です。
【対策②】「メッシュトレー」で物理的にガードする
- トイレシートの上に網(メッシュ)がついたトレーを導入する。
- 足の裏とシートの間に物理的な隙間(距離)ができるため、どれだけおしっこをしても絶対に足が濡れなくなります。
まとめ:トイレのしつけは根気よく
生後5〜6ヶ月の子犬から1〜2歳の成犬まで、時期別の悩みや「トイレを覚えない犬種ランキング」の真相、そして今日から実践できる具体的な対処法を開設しました。ポイントを振り返りましょう。
- トイレの失敗は、場所の落ち着かなさ、足裏の感触の勘違い、構ってもらえるという誤解や叱られた恐怖が原因になる
- 生後5〜6ヶ月は遊びに夢中な「うっかり失禁」、1〜2歳はホルモンや縄張り意識・寂しさからの「わざとの失敗」が起きやすい
- 失敗したときは感情を無にして淡々と片付け、名前を呼んで叱らないようにすることが、飼い主のイライラと犬の恐怖心を防ぐコツ
- 柴犬(外派)、ダックス(物理的はみ出し)、プードル(構ってちゃん)、チワワ(回数多)など、犬種の特性に合わせた教え方をする
- シートを大きくする、L字の壁を作る、メッシュ付きトレーで「足濡れ」の不快感を防ぐなど、環境を物理的に変えるアプローチが有効
トイレのしつけがうまくいかないと、「愛犬に拒絶されている」ような悲しい気持ちになることもあるでしょう。でも、愛犬はあなたを困らせようとしているのではありません。
ただ、「どこが正しい場所なのか、よくわかっていない」だけなのです。
1歳でも、2歳でも、保護犬として迎えたシニア犬でも、いつからでもトイレの場所を覚えることはできます。イライラピリピリしていると余計に失敗してしまうこともあるので、トイレに失敗したら掃除ができてラッキーくらいの気持ちで取り組んでみてくださいね。
著者
DogLife編集部


