16 January.
犬の散歩の時間はどれくらいが正解?犬種別・季節別・行けない日の対処法まで解説
本記事では、犬種別の理想的な散歩時間の目安や、シニア犬・子犬への配慮、さらに夏場の熱中症対策までを徹底解説します。

「愛犬の散歩、今日はこれくらいの時間で足りているかな?」「雨の日は無理にでも連れて行くべき?」と悩む飼い主さんは少なくありません。犬にとって散歩は単なる運動ではなく、心身の健康を維持するための大切なライフワークです。しかし、適切な散歩時間は犬種や年齢、さらには季節によっても大きく異なります。
本記事では、犬種別の理想的な散歩時間の目安や、シニア犬・子犬への配慮、さらに夏場の熱中症対策までを徹底解説します。
犬の散歩時間の目安はどれくらい?
犬の散歩時間は、体の大きさや体力、年齢によって適切な範囲が変わります。一律に「何分」と決めるのではなく、愛犬の様子を観察しながら調整することが大切です。ここでは、基本的な目安となる時間配分について詳しく解説します。
基本の散歩時間(小型犬・中型犬・大型犬)
小型犬の場合は、1日1回から2回、合計で15分から30分程度が目安とされています。チワワやトイプードルなどの小型犬は、家の中の移動だけでも必要な運動量を稼ぐことができますが、外の空気に触れる社会化や気分転換のために、短い時間でも外へ連れ出すことが推奨されます。
中型犬になると運動量が格段に増えるため、1日2回、それぞれ30分から60分程度の散歩が必要になります。柴犬やコーギーなどはスタミナがあり、単に歩くだけでなく、早歩きを混ぜたり坂道を歩かせたりして、筋肉に適度な負荷をかけることが健康維持のポイントとなります。
大型犬の場合は、1日2回、それぞれ60分以上の時間を確保するのが理想的です。ゴールデンレトリバーやラブラドールなどの大型犬は、十分な運動ができないとストレスが溜まりやすく、肥満のリスクも高まります。ただし、散歩において重要なのは「時間=距離や運動量ではない」という点です。ダラダラと長時間歩くよりも、クンクンと匂いを嗅がせたり、飼い主とコミュニケーションを取りながら歩いたりする「質の高い散歩」を心がけることで、短時間でも犬の満足度を高めることができます。
子犬・成犬・シニア犬で違う散歩時間
成長段階によっても、最適な散歩時間は変化します。子犬の場合は、骨格がまだ未発達なため、長時間の散歩は関節に負担をかけてしまいます。「月齢×5分」という目安もありますが、基本的には外の環境に慣れさせることを優先し、疲れが見える前に切り上げましょう。
成犬期は、その犬が持つ本来の体力をフルに発揮させる時期です。犬種ごとの特性に合わせ、しっかりとした運動量を確保することで、夜の睡眠の質も向上し、精神的な安定につながります。
一方で、シニア犬になると体力が低下してくるため、これまでの散歩時間では長すぎます。歩くペースが落ちたり、途中で立ち止まったりすることが増えたら、それは「休憩したい」というサインです。
犬の散歩時間はどれくらいとればいい?
結論から言えば、散歩は毎日同じ時間である必要はなく、その日の状況に合わせて調整しても問題ありません。
雨・忙しい日・体調が微妙な日の考え方
雨の日や飼い主が忙しい日、愛犬の体調が少し優れないと感じる日は、無理をして外に出る必要はありません。短時間でも外に出るだけで、犬にとってはリフレッシュになります。たとえ5分や10分であっても、外の空気を吸い、排泄を済ませるだけで、ストレスは大幅に軽減されます。
散歩の「代替行動」として有効なのが、室内での遊びやコミュニケーションです。おもちゃを使った引っ張り合いや、おやつを隠して探させる宝探しゲームは、散歩と同じかそれ以上に脳を刺激します。犬にとっての散歩は単なる肉体労働ではなく、知的好奇心を満たす場でもあります。そのため、外に行けない日は家の中で「頭を使わせる遊び」を取り入れてみてくださいね。
今日は散歩が短くても大丈夫なサイン
散歩を短くしても良いかどうかを判断する一番の基準は、犬が家の中で落ち着いているかどうかです。散歩から帰った後、あるいは散歩に行かなかった時間帯に、愛犬が自分のベッドでリラックスして昼寝をしていたり、静かに過ごしていたりするなら、その日の運動量は足りていると判断して良いでしょう。犬にもその日の気分や体調があり、低気圧の影響などで「今日はあまり動きたくない」と感じている日もあるのです。
また、問題行動が出ていないことも重要なサインです。運動不足になると、家具を噛んだり、自分の手足を舐め続けたり、意味もなく吠え続けたりといった行動が見られるようになります。こうしたサインが見られず、穏やかな表情で過ごせているのであれば、その日の散歩時間が短かったとしても大きな問題にはなりません。
犬の散歩に行かないとどうなる?
散歩は犬にとっての大切な習慣です。では、散歩に行かない生活が続いてしまうと、どうなってしまうのでしょうか。
運動不足による影響
最も分かりやすい影響は肥満です。摂取カロリーに対して消費カロリーが不足すれば、当然ながら体重が増加します。犬の肥満は万病の元と言われ、心臓への負担が増えるだけでなく、糖尿病や呼吸器疾患のリスクも高まります。室内でどれだけ動いていたとしても、広々とした外を歩く運動量には及びません。
さらに、運動不足は体力や筋力の低下も招きます。特に足腰の筋肉が衰えると、若いうちは目立たなくても、シニア期に入ったときに健康リスクが跳ね上がります。いつまでも自分の足で元気に歩き続けるために、日々の散歩を習慣にすることを意識してみてくださいね。
精神面への影響(ストレス・問題行動)
犬にとって散歩は、外の世界の情報を収集し、本能を満たすための大切な時間です。この時間がなくなると、強いストレスが溜まり、無駄吠えという形で現れることがあります。外からの物音に過敏に反応したり、飼い主に対して要求吠えを繰り返したりするのは、エネルギーの発散場所がないことへの不満の表れかもしれません。
また、ストレスは破壊行動につながることもあります。クッションをズタズタにする、壁紙を剥がす、家具の脚を執拗に噛むといった行動は、退屈と欲求不満からくるものです。落ち着きのなさが目立つようになり、家の中を意味もなく走り回ったり、自分の尾を追いかけて回り続けたりする常同行動が見られることもあります。
犬の散歩はしすぎると逆効果?
「散歩は長ければ長いほど良い」と思われがちですが、そんなことはありません。散歩のしすぎもリスクがあります。
散歩しすぎによるリスク
散歩のしすぎで最も懸念されるのは、関節への負担です。特にフローリングやアスファルトなどの硬い地面を歩き続けるのは、犬の膝や腰、股関節に悪影響です。
もともと骨関節に疾患を抱えやすい犬種や、体重の重い大型犬、まだ骨が柔らかい子犬の場合、過剰な運動が原因で炎症を起こしたり、将来的な関節症を誘発したりする恐れがあるため注意が必要です。
また、慢性的な疲労は免疫力の低下を招きます。激しすぎる運動を毎日続けると、体力が回復する前に次の負荷がかかるため、体調を崩しやすくなります。散歩から帰ってくるとぐったりしていたり、食欲が落ちたりする場合は、明らかにオーバーワークです。
散歩時間を増やすべき犬・減らすべき犬
散歩時間を増やすべきなのは、いわゆる「作業犬」や「狩猟犬」のルーツを持つ活動量の多い犬種です。ジャックラッセルテリアやボーダーコリー、レトリバー種などは、通常の散歩だけでは満足しないことが多いため、広い場所で走らせたり、ドッグランを活用したり、ドッグスポーツに取り組んだりして運動量を確保する必要があります。頭を使って疲れさせるとなお良いですね。
一方で、散歩時間を減らすべきなのは、小型犬やシニア犬です。チワワやポメラニアンなどの超小型犬は、1回15分〜30分程度の散歩が理想的です。また、シニア犬は本人が行きたがっても、体がついていっていないケースがあります。呼吸が荒くなったり、足を引きずるような仕草を見せたりした場合は、散歩時間を短くしましょう。「今日はこれくらいでやめておこう」と飼い主がブレーキをかけてあげることも大切です。
犬の散歩時間帯は夜でも大丈夫?
仕事の都合などで、どうしても散歩が夜になってしまう家庭も多いでしょう。夜の散歩にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
夜散歩のメリット・デメリット
夜に散歩をする最大のメリットは、飼い主の生活リズムに合っている点です。共働きの家庭では、朝の忙しい時間よりも、夜に散歩をする方が、リラックスできますよね。
また、夏場であれば、日中の酷暑を避けて涼しい時間帯に歩けるため、熱中症のリスクを大幅に下げられるという利点もあります。
デメリットとしては、防犯面や視界の悪さが挙げられます。暗い道では、自転車や自動車から犬の姿が見えにくく、接触事故のリスクがあります。特に小型犬や毛色が黒い犬は、闇に紛れてしまいがちです。また、夜間は道に落ちているゴミや危険なものを発見しにくいため、誤飲・誤食の危険性も増します。
夜散歩で気をつけたいポイント
夜散歩を安全に楽しむために、首輪やリードに装着できるLEDライトや、体に巻き付ける反射材などを積極的に活用しましょう。また、飼い主自身も明るい色の服を着るなど、周囲のドライバーや歩行者からすぐに見つけてもらえるような服装にするのも良いですね。
犬の散歩時間の目安
犬種によって、最適な散歩時間は違います。ここでは、犬種別の犬の散歩時間の目安について解説します。
トイプードルの散歩時間はどれくらい?
トイプードルの散歩時間は、1日2回、1回あたり20分から40分程度が目安となります。トイプードルは小型犬の中でも非常に知能が高く、運動能力も優れているため、ただ歩くだけの散歩では物足りなさを感じることがあります。活発に動き回るのが大好きな性格なので、時には早歩きを取り入れたり、公園でボール遊びをしたりして、全身をしっかり動かす運動を取り入れてみてくださいね。
また、散歩のルートを定期的に変えたり、新しい場所へ連れて行ったりして、脳を刺激してあげることも大切です。散歩中に「マテ」や「オイデ」などの簡単なトレーニングを組み込んであげるのもおすすめです。
小型犬でも散歩は必要?
「小型犬は室内で動いているから散歩はいらない」という話を耳にすることがありますが、これは大きな誤解です。散歩の目的は運動だけではありません。外の空気を吸い、土や草の匂いを嗅ぎ、他の犬や人間を目にする行為自体がストレスを解消するために欠かせない要素です。
散歩に行かない生活を続けていると、外の世界を極端に怖がるようになったり、インターホンの音などに過剰に反応するようになったりと、問題行動につながる恐れがあります。
夏の犬の散歩時間はどう調整する?
日本の夏は犬にとって非常に過酷な環境です。夏の散歩はどのようにしたらいいのでしょうか。
夏に適した散歩時間帯
夏場の散歩は、気温が上がりきる前の早朝か、日が沈んだ夜間にしましょう。理想的なのは、まだ太陽が昇りきっていない午前5時〜6時台、あるいはアスファルトの熱が冷めた午後8時以降です。昼間に熱を蓄えたアスファルトは、日が沈む時間帯は高温なままです。飼い主が自分の手で直接地面を触ってみて、5秒間触れ続けられないほど熱い場合は、散歩に行くのはやめてくださいね。
夏は散歩時間を短くしてもいい理由
夏場は無理に長時間の散歩をする必要はありません。犬は人間のように汗をかいて体温調節をすることができず、パンティング(あえぎ呼吸)だけで熱を逃がしています。湿度の高い日本の夏ではこの体温調節機能が働きにくいため、短時間の外出でも命に関わる事態になりかねません。夏の散歩は「排泄と気分転換」を目的として、運動量は二の次と考えるのがおすすめです。
不足する運動量については、冷房の効いた室内での運動で補えば大丈夫です。廊下で軽くボールを投げたり、知育玩具を使っておやつを探させたりすれば、体力を削らずに満足感を与えることができます。また、水遊びが好きな犬であれば、庭やベランダでビニールプールを活用するのもいいですね。
犬の散歩に毎日行けないときの対処法
天候不良や自身の体調、急な仕事などで、どうしても散歩に連れて行けない日は誰にでもあります。そんな時はどうしたらいいか解説します。
散歩に行けない日はどうする?
散歩に行けない日は、室内遊びで愛犬の欲求を満たしましょう。おもちゃを使ったキャッチボールや追いかけっこを数分間行うだけで、かなりの運動になります。それ以外に、「ノーズワーク」もおすすめです。箱や部屋のあちこちにおやつを隠し、鼻を使って探させる遊びは、犬を程よく疲れさせてくれます。
遊び以外だと、「オスワリ」「フセ」などのコマンドや新しい芸の練習などもおすすめです。
罪悪感を持たなくていい理由
散歩は確かに大切ですが、それが絶対に守らなければならない「義務」となってしまっては、元も子もありません。何よりも優先されるべきは、飼い主と犬が穏やかで幸せな時間を過ごすことであり、たまに散歩を休んだからといって、罪悪感を感じる必要はないのです。
犬の満足度は、散歩の有無だけで決まるわけではありません。家の中でのんびり過ごしたり、優しく撫でてもらったりすることも、犬にとっては至福の時間です。「散歩に行かなければならない」という固定観念は捨てて、「今日は家で楽しく過ごそう」と決めることも時には大切ですよ。
犬の散歩時間でよくあるQ&A
Q:1日1回でも足りる?
犬種や年齢、運動強度によりますが、1日1回でも内容が充実していれば問題ないケースがほとんどです。ただし、排泄を散歩時にしか行わない犬の場合は、2回以上に分けるのが望ましいでしょう。また、1回の長い散歩よりも、短時間を2回に分けた方が、リフレッシュ効果も高まりやすいというメリットがあります。
Q:距離(km)で考えたほうがいい?
アスファルトの道を1km歩くよりも、草むらや坂道があるデコボコ道を500m歩き、じっくり匂い嗅ぎをさせる方が、犬のエネルギー消費量や満足度は高くなります。また、季節によっても歩ける距離は変わります。「今日は何キロ歩いた」という数字に縛られる必要はありませんよ。
Q:散歩を嫌がる犬はどうする?
まずはその原因を突き止めることが重要です。無理にリードを引っ張って連れ出すのは逆効果です。玄関先でおやつをあげたり、抱っこして外の空気を吸わせるだけから始めたりして、「外は楽しい場所だ」というポジティブな印象を少しずつ植え付けていくと、いつしかお散歩が楽しみでたまらない犬になりますよ。
まとめ
犬の散歩時間に正解はありません。小型犬なら15〜30分、大型犬なら1時間以上といった目安はありますが、それ以上に「脳を使う刺激」や「飼い主とのコミュニケーション」といった質が満足度を左右します。
天候や忙しさで散歩に行けない日があっても、室内での遊びやノーズワークで代替すれば大丈夫。義務感に縛られて毎日お散歩に行く必要はありません。
お散歩ルートが固定されているなら、今日のお散歩はいつもと違う道にしてみてもいいかもしれませんね。



