15 January.
犬と散歩しないとどうなる?しないと寿命は縮まるの?
本記事では、「犬を散歩させないことで起こるリスク」や「寿命への影響」、どうしても行けない時の対処法を詳しく解説します。

「今日は忙しいから」「室内犬だし家の中で走り回っているから」といった理由で、散歩を後回しにしていませんか?実は、犬にとって散歩は単なる「運動」以上の意味を持っています。
本記事では、「犬を散歩させないことで起こるリスク」や「寿命への影響」、どうしても行けない時の対処法を詳しく解説します。
犬を散歩しないとどうなる?結論から解説
結論からお伝えすると、散歩をしない生活は犬の心と体の両方に深刻な悪影響を及ぼします。人間でいえば、一歩も外に出ず、誰とも話さず、狭い部屋に閉じ込められている状態に近いストレスを感じるのです。
散歩の目的はカロリー消費だけではありません。外の空気を吸い、土の匂いを嗅ぎ、他の犬や人と出会う。これらすべての刺激が、犬の脳を活性化させ、精神的にも安定します。
「うちは小型犬で、家の中を歩き回っているから大丈夫」という考えは危険です。家の中は犬にとって「知っている場所」でしかなく、脳への刺激が圧倒的に不足してしまいます。
犬を散歩しないと起こる主な問題
犬を散歩しないと起こる主な問題は以下の3つです。
- ストレスが溜まり問題行動が増える
- 運動不足で病気のリスクが上がる
- 社会性が育たず臆病・攻撃的になる
詳しく解説します。
① ストレスが溜まり問題行動が増える
外からの刺激がないと、エネルギーのやり場を失った犬は強いストレスを感じます。退屈や欲求不満が、家具を壊したり、飼い主に噛み付いたりといった無駄吠え・破壊行動・噛み癖として現れるというわけです。
「家の中で暴れる」「夜泣きがひどい」といった相談の多くは、実は散歩不足によるエネルギー余りやストレスが原因であることが少なくありません。
② 運動不足で病気のリスクが上がる
消費カロリーが摂取カロリーを下回れば、当然ながら肥満になります。肥満は「万病の元」であり、特に小型犬に多い膝蓋骨脱臼(パテラ)などの関節疾患を悪化させ、重症化させます。また、心肺機能が衰えることで、シニア期に入った際に心臓病のリスクが高まることも無視できません。
③ 社会性が育たず臆病・攻撃的になる
散歩は犬にとって最高の「社会勉強」の場です。外の世界に触れる機会を奪われた犬は、社会性が育たず、不安定な性格になりがちです。
外の世界を知らない犬にとって、家の外から聞こえる車の音や他人の話し声は「正体不明の恐怖」でしかありません。そのため、来客に対して過剰に吠えたり、散歩中に他の犬を見てパニックを起こしたりするようになります。
幼少期から様々なものに触れさせることで、「世の中には怖いものばかりではない」という安心感を教えることができます。
散歩しない犬は寿命が縮むって本当?
それでは、散歩しない犬は寿命が縮むという噂は本当でしょうか?
運動不足と寿命の関係
「散歩をしないと寿命が縮むのか?」という問いに対し、医学的に「散歩ゼロの犬は〇歳で死ぬ」という明確な統計があるわけではありません。
散歩をしない犬は「肥満」と「ストレス」によって寿命を縮めるリスクがあると言えるでしょう。肥満は糖尿病、呼吸器疾患、関節の痛みによる運動意欲の低下を招きます。また、慢性的的なストレスは免疫力を低下させ、ウイルス感染やガンの発生リスクを高めるという説もあります。
長生きしている犬に共通する生活習慣
20歳近くまで長生きする犬たちの多くは、最期まで自分の足で歩こうとする意欲を持っています。これには、飼い主さんとの毎日の散歩習慣の賜物です。適度な運動による筋肉量の維持はもちろんですが、それ以上に「飼い主と一緒に外の世界を楽しむ」というポジティブな感情が、生きる意欲となるからです。 心身ともに健全な刺激があり、適度な疲労と充足感を得られる生活習慣こそが、病気に負けない強い体を作り、結果として長生きになると言えるでしょう。
「犬を散歩しない飼い主」はダメなのか?
ここまで散歩に行かない悪影響を解説してきましたが、「犬を散歩につれて行かない飼い主」はダメな飼い主でしょうか?
散歩に行けない事情があるケース
世の中には、どうしても散歩に行けない、あるいは行けない時期がある飼い主さんもいらっしゃいます。「散歩に行けない自分はダメな飼い主だ」と過剰に自分を責める必要はありません。 例えば、共働きで朝から晩まで働きに出ている、自身の急な怪我や病気、あるいは愛犬自身が極度の怖がりで外に出るとパニックを起こすというケースもあります。また、猛暑や台風、大雪といった天候上の理由で外出できないこともあるでしょう。こうした「事情」がある場合には、いかに愛犬のケアを行うかが重要となります。
大切なのは「散歩の代わり」があるかどうか
最も避けるべきなのは、「散歩に行けないから仕方ない」と諦めて、愛犬を放置してしまうことです。犬が求めているのは、散歩そのものというよりも、散歩によって得られる「運動」「刺激」「飼い主とのコミュニケーション」です。 「散歩しない=愛情がない」ではありません。もし物理的に外へ出られないのであれば、その不足分を補うための工夫をしているかどうかが大切です。
室内で全力で遊ぶ時間を設ける、頭を使うゲームをさせる、といったことで愛犬とコミュニケーションが取れていれば、散歩に行かない日があっても全く問題ありません。
散歩しない犬はどうしたらいい?対処法まとめ
では、散歩をしない・好きじゃない犬にはどのようなことをしたらいいでしょうか?
① 室内でできる運動・遊びを増やす
おやつを隠して探させる知育玩具や、匂いを頼りに宝探しをする「ノーズワーク」は、10分行うだけで1時間の散歩に匹敵する脳の疲労感(満足感)を与えると言われています。
② 散歩のハードルを下げる工夫をする
「散歩=しっかり歩かせなければならない」という思い込みを捨ててみましょう。家の玄関先で5分だけ外の空気を吸わせるだけでも、犬にとっては貴重な刺激になります。
また、シニア犬や怪我をしている犬、外を怖がる犬には、抱っこやペットカートでの外出がおすすめです。歩かなくても、視界が変わる、風を感じる、新しい匂いを嗅ぐだけで、ストレス解消に十分な効果を発揮します。
③ 勇気を出してプロに頼る
どうしても自力での解決が難しい場合は、外部の力を借りることも立派な愛情です。外を怖がって歩けない、拾い食いがひどいといった場合は、ドッグトレーナーの指導を受けてみてはいかがでしょうか?
仕事が忙しい時期は、週に数回でも散歩代行を依頼することも検討してみてください。
週末だけ散歩するのはアリ?ナシ?
平日は仕事が忙しくて散歩の時間を割くことができないという方もいるでしょう。では、週末だけ散歩するのはアリでしょうか?
「平日は忙しいから、土日にまとめてドッグランで走らせればいい」という考え方は、実は少し注意が必要です。結論から言えば、週末だけの散歩は「ゼロよりはマシ」ですが、100%それで良いとは言えません。
犬にとっての時間は、人間の数倍の速さで進んでいます。月曜から金曜まで刺激のない部屋でお留守番をして、週末に思いっきり遊ぶ生活は、犬にとっては大きなストレスです。
週末に楽しく過ごしすぎた反動で、月曜日にひどい分離不安や無気力に陥ることもあります。平日に外へ出られない場合は、室内で頭を使うゲームなどを行い、しっかりコミュニケーションをとるようにしてくださいね。
散歩しなくていい犬は存在する?
毎日の生活が忙しいため、「できることなら散歩をしなくていい犬を飼いたいな」と思うこともあるかもしれません。しかし、基本的に「散歩不要な犬」はいません。理由について詳しく解説します。
基本的に「散歩不要な犬」はいない
ネット上の情報で「この犬種(チワワ、ポメラニアン、マルチーズなど)は散歩不要」と書かれていることを目にすることがあるかもしれません。チワワ、ポメラニアン、マルチーズといった超小型犬であっても、探索本能や社会性は備わっています。 「散歩不要」とされる犬種の多くは、単に「必要な運動量が少ない(室内を歩き回るだけで健康に必要な運動が賄える)」という意味です。ストレス解消、認知症予防、社会性の構築という側面から見れば、どんな犬種であっても外の世界に触れる必要がない犬など存在しません。
散歩量が少なくてもOKな犬の特徴
もちろん、個体差や状況によって「短時間で良い」とされるケースはあります。
超小型犬やハイシニア犬で体力的に長く歩けない場合は、短時間の散歩でも問題ありません。また、医師から運動制限が出ている場合も、散歩量は少なくてもOKです。とはいえ、うした犬であっても、外の空気を吸わせる「外気浴」程度の外出は、QOL(生活の質)を高めるために推奨されます。「完全にゼロ」で一生を終えさせて良い犬はいない、という認識を持つことが大切です。
室内犬だから散歩しなくていいは誤解
「室内犬は家の中で十分動いているから散歩は不要」という考えは、完全に誤解です。室内犬は、環境の「マンネリ化」による脳の衰えが1番の課題です。 毎日同じ壁、同じ家具、同じ匂いの中に閉じ込められていると、犬の感覚は鈍り、些細な変化に臆病になったり、逆に攻撃的になったりします。また、運動不足は便秘や泌尿器系のトラブルを招きやすくなることもあります。
もし外を歩かせるのが難しい事情があるなら、ベランダで日光浴をさせながら外の音を聞かせる「外気浴」や、キャリーバッグに入れて近所を一周する「キャリー散歩」を取り入れてください。歩くことそのものよりも、飼い主さんと一緒に刺激に触れる経験をすることが大切です。
まとめ|散歩は「義務」ではなく「犬の幸せを守る習慣」
散歩を「毎日〇分行かなければならない仕事」と考えてしまうと、飼い主さん自身が疲弊してしまいます。しかし、散歩をしないことで愛犬が被るリスクを考えれば、やはり何らかの形で刺激を与えてあげるべきでしょう。
忙しい日は5分だけでも、歩くのが嫌いな犬なら、抱っこして公園に行くだけでもOKです。無理のない範囲で、愛犬との散歩を楽しんでくださいね。
著者
DogLife編集部



