15 January.
犬は散歩しすぎるとどうなる?適切な時間・距離と犬種別の注意点を解説
ついつい長時間の散歩をしてしまう飼い主さんも多いと思いますが、実は「歩かせすぎ」もよくありません。散歩しすぎによるデメリットや犬種別の注意点を詳しく解説します。

「愛犬にはたくさん運動させてあげたい」という親心から、ついつい長時間の散歩をしてしまう飼い主さんも多いと思いますが、実は「歩かせすぎ」もよくありません。
本記事では、散歩しすぎによるデメリットや犬種別の注意点を詳しく解説します。
犬は散歩しすぎるとどうなる?
散歩のしすぎは、良かれと思ってやったことが逆効果になる典型例です。身体的なダメージだけでなく、精神的なストレスにつながることも少なくありません。
散歩しすぎによる主なデメリット
過度な運動は、膝蓋骨脱臼(パテラ)や椎間板ヘルニアといった関節・骨格系の疾患を悪化させる大きな要因となります。また、硬い地面との摩擦によって肉球が薄くなり、炎症やひび割れを起こすことで歩行時に痛みを感じるようになるケースも少なくありません。
「疲れているサイン」を見逃さない
散歩しすぎか判断するためにも、愛犬からの「疲れているサイン」を見逃さないようにしましょう。散歩の後半に歩くスピードが落ち、飼い主より後ろを歩くようになるのは、体力の限界が近いサインです。
道端で座り込む、自宅の方向へリードを引くといった行動は「もう歩きたくない」意思表示。帰宅後に自分の足を執拗に舐めたり、どこか特定の部位を触られるのを嫌がったりする場合は、痛みが出ている可能性が高いため、安静にさせてあげましょう。
散歩しすぎの目安は?距離・時間の考え方
散歩の適量は、犬種や環境によって大きく変動するため「何km歩けば正解」という答えはありません。しかし、一つの目安として、成犬であれば「1日2回、各30分から1時間程度」が推奨されることが多いです。この範囲を大幅に超える場合は、その運動が愛犬に見合っているかを考える必要があります。
犬の散歩10kmは長すぎる?
10kmという距離は、人間の歩幅に換算してもかなりの運動量です。
小型犬にとっては過酷すぎる運動量と言えるでしょう。大型犬や牧羊犬のようなスタミナのある犬種であれば10kmの散歩で根を上げることはないですが、毎日やることは基本的におすすめできません。
散歩時間が長ければ良いわけではない
散歩の満足度は、歩いた時間の長さではなく、その内容(質)で決まります。ただ淡々とアスファルトの上を歩き続けるよりも、芝生の上を歩いてニオイの変化を感じたり、坂道を上り下りして筋肉に負荷をかけたりする方が、短時間でも満足度の高い運動になります。
また、犬にとっての散歩は「外の世界の情報を鼻で読み取る」という知的な活動でもあります。匂い嗅ぎの時間を十分に確保してあげることで、ストレス解消にもなるでしょう。
【犬種別】散歩しすぎに注意が必要な犬
犬のルーツや骨格構造によって、得意な運動と苦手な運動があります。人気の犬種であっても、その体の特徴ゆえに「散歩のしすぎ」が大きなダメージとなるケースがあるため、飼い主さんは自分の愛犬が持つ特性を正しく理解しておく必要があります。
柴犬は散歩しすぎるとどうなる?
日本犬の中でも屈指の運動量を誇る柴犬ですが、実は非常に我慢強い性格のため、疲れを隠して歩き続けてしまう傾向があります。限界を超えて歩かせすぎると、加齢とともに足腰にガタがきやすくなるだけでなく、散歩を拒否する問題行動をとるようになることもあります。
トイプードルの散歩2時間は適切?
トイプードルは、骨が細く関節トラブルを抱えやすい特性があります。一度に2時間の散歩を毎日続けるのは、やりすぎです。1回15〜30分程度を1日2回に分けて行うのが理想的だと言えるでしょう。
長時間のお散歩やお出かけを楽しみたいのであれば、カフェでの休憩を挟んだり、カートを利用して移動したりするなどの工夫がおすすめです。
チワワは散歩しすぎると危険?
チワワは家の中を歩くだけでも十分な運動になるという意見もあり、散歩をしすぎるのはダメなんじゃないかと感じている飼い主さんも多いでしょう。
チワワの散歩は、距離よりも「外の空気を吸ってリフレッシュすること」に重きを置き、1回10分から15分程度の短い散歩を、天候の良い時間帯に選んで行うのが理想的です。
小型犬は散歩はいらないって本当?
「小型犬だから散歩は不要」という考え方は、現代の獣医学やドッグトレーニングの観点からは否定されています。身体的には不要でも、犬の幸福度から考えると、散歩は絶対に必要です。
「小型犬 散歩いらない」と言われる理由
小型犬に散歩は不要と言われる理由として、小型犬の骨格が非常に華奢であることや、室内で走り回るだけで必要な運動ができてしまうことがあげられます。しかし、これはあくまで「最低限の運動をする」場合です。
散歩をしない生活は、犬の知的好奇心を奪い、脳の老化を早めてしまうという大きなデメリットがあることを覚えておいてくださいね。
小型犬でも散歩が必要な理由
散歩をする最大の目的は、外の刺激に触れることで社会性を養うことにあります。他の犬の声や車の音、土の感触などを経験していない犬は、極端に臆病になったり、環境の変化に弱くなったりします。
また、散歩による適度な日光浴は、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促し、睡眠の質を向上させる効果もあります。ストレスからくる破壊行動や無駄吠えを防ぐためにも、短時間でも毎日外へ連れ出してあげることが大切です。
散歩しすぎ vs 散歩しない|どちらが危険?
「散歩のしすぎ」と「散歩をしない」は、どちらも犬に悪影響を与える側面がありますが、散歩をしないことによる肥満やストレスの方が危険だと言えるでしょう。
犬が散歩しないとどうなる?
散歩に行かない生活が続くと、犬はエネルギーの行き場を失い、自分の体を舐め壊したり尻尾を追いかけ回したりといった常同行動(ストレス行動)を起こしやすくなります。
また、社会との接点がなくなることで警戒心が強まり、来客や物音に対して過剰に吠えるといった問題行動が定着してしまうリスクも高まります。
毎日散歩に行かないのはOK?
無理に毎日散歩に行く必要はありません。夏場の猛暑日や冬の凍えるような日、あるいはシニア犬が眠たそうにしている日などは、家の中でおもちゃで遊ぶだけで散歩の代わりとなります。
大切なのは「毎日同じノルマをこなすこと」ではなく、愛犬がその日を満足して終えられるかどうかです。週単位でトータルの運動量を調整するくらいの、心の余裕を持ってお散歩に出かけるのがいいですね。
犬の散歩時間は毎日バラバラでもいい?
散歩の時間をきっちり固定している家庭も多いですが、実は毎日バラバラな時間に散歩に行く方が良いと言われています。時間を固定すると、犬が「散歩待ちストレス」で要求吠えやイタズラを始めることがあるからです。
詳しく解説します。
散歩時間が不規則な場合の影響
犬の体内時計は非常に正確で、毎日同じ時間に散歩へ行くと、その時間が近づくだけで期待が高まり興奮状態になります。そして、飼い主さんの都合で少しでも時間がズレると、犬は強い不満を感じ、要求吠えやイタズラといった問題行動が出ることもあります。
時間をあえてバラバラにすることで「散歩待ちストレス」を回避できるでしょう。
理想的な散歩スケジュールの考え方
散歩の時間を固定しないことで、夏場なら早朝、冬場なら日中の暖かい時間など最適な時間帯を選べるようになります。ただし、シニア犬のようにルーティンが安心感に直結する場合は、ある程度決まったリズムを作ってあげる方が精神的に安定することもあるため、愛犬の性格に寄り添って決めていきましょう。
犬にとって「ちょうどいい散歩量」の決め方
目の前の愛犬が発しているサインを読み取って、「ちょうどいい散歩量」を見つけるようにしましょう。具体的な決め方について、解説します。
犬種・年齢・体力で考える
子犬の頃は、まだ骨が柔らかいため「月齢×5分」程度の短い時間から始め、成犬になったらその犬種のルーツに合わせた運動量を確保しましょう。
そしてシニア期に入ったら、歩く距離よりも「ゆっくりと外の空気を吸うこと」にシフトしてください。愛犬が散歩を楽しみにしているか、途中で足が重そうになっていないかを観察し、その日のコンディションに合わせて長さを変えるのが正解です。
今日からできるチェックポイント
散歩から帰ってきてから1時間以内に、愛犬が満足そうにため息をついてぐっすり眠り始めたら、散歩量がちょうどよかったと考えてOKです。反対に、帰宅後もずっと落ち着きなく歩き回っていたり、逆に翌朝になっても起きてこないほど疲れ切っていたりする場合は、散歩の量を見直す必要があります。毎日の「散歩後の様子」を日記のように記録しておくのもおすすめです。
まとめ
散歩の適量は、犬種や環境によって大きく変動するため「何km歩けば正解」という答えはありません。散歩をし過ぎてしまっても、翌日以降にしっかり休憩の時間をとれば悪影響はありません。
散歩は、飼い主さんと愛犬が同じ景色を楽しみ、心を通わせる大切な時間です。義務感で散歩に出かけるのではなく、毎日のコミュニケーションとして楽しく散歩に出かけてくださいね。
著者
DogLife編集部



