27 January.
パグは飛行機に乗れる?短頭種の搭乗制限や危険な5つの理由、対策を解説
パグなどの短頭種犬は飛行機搭乗に制限があります。航空会社のルール、死亡リスク、安全対策、代替手段まで詳しく解説します。

「パグと一緒に飛行機で移動できたら便利なのに」と思ったことはありませんか?引っ越しや旅行、やむを得ない事情で飛行機移動が必要になる場面もありますよね。一方で、「短頭種は危険」「搭乗できないことがある」と聞いて、不安を感じている飼い主さんも多いはずです。
実はパグをはじめとする短頭種犬は、体の構造や環境変化の影響を受けやすく、飛行機移動には特有のリスクがあります。そのため、多くの航空会社が厳しい搭乗制限を設けているのが現状です。
この記事では、パグが飛行機に乗れるのかどうかを軸に、短頭種が危険とされる理由や航空会社ごとのルール、そして愛犬の命を守るための対策まで、分かりやすく解説していきます。
パグは飛行機に乗れる?短頭種の搭乗制限を知っておこう
「パグと一緒に飛行機で移動したいけど、本当に大丈夫?」と不安に感じる飼い主さんはとても多いです。実は、パグを含む短頭種犬は、飛行機搭乗に関して特別な制限が設けられているケースが少なくありません。
その理由は、鼻が短い“鼻ぺちゃ”特有の体の構造にあります。短頭種はもともと呼吸器に負担がかかりやすく、飛行機内の気圧変化や温度変動が命に直結するリスクを持っているんです。実際、過去には航空輸送中に亡くなった事故も報告されています。
また、搭乗可否は航空会社ごとに大きく異なり、同じ会社でも季節や気温によってルールが変わることもあります。「前はOKだったから今回も大丈夫」とは限らないのが現実なんですね。まずは短頭種がなぜ制限されやすいのかを正しく理解することが大切です。
パグなど短頭種が飛行機で危険な5つの理由とは?
短頭種犬が飛行機でリスクを抱えやすい理由は、ひとつではありません。体の構造・環境変化・ストレスなど、複数の要因が重なって危険性が高まります。
ここでは、以下5つの視点から詳しく見ていきましょう。
- 呼吸器の構造
- 気圧と酸素環境
- 温度変化
- ストレス
- 体温調節
理由1:短頭種犬はもともと呼吸効率が低いから
パグやフレンチブルドッグ、ブルドッグなどの短頭種は、見た目の可愛さとは裏腹に、呼吸器の構造に大きな特徴があります。
- 鼻腔が狭い
- 気道が短く細い
- 軟口蓋(のどの奥の粘膜)が長い
これらが重なり、空気の通り道が物理的に狭くなっています。
そのため、安静時でも呼吸に余裕がなく、少し興奮したり暑くなったりするだけで息が荒くなりやすいんです。飛行機という非日常環境は、こうした弱点を一気に表面化させてしまいます。
理由2:飛行機内の気圧・酸素環境が大きな負担になるから
飛行機の客室や貨物室は、地上と同じ環境ではありません。気圧は低く、酸素もやや薄い状態になります。
健康な犬であれば大きな問題にならないこともありますが、呼吸に余裕のない短頭種では話が別です。酸素を取り込む効率が落ち、軽い低酸素状態に陥るだけでも、呼吸困難を起こすリスクが高まります。
「普段は元気だから大丈夫」と思っていても、環境が変わると急激に悪化する可能性がある点は見逃せません。
理由3:貨物室の温度変化が命に関わるから
多くの場合、犬は貨物室で輸送されますが、客室ほど安定した温度管理がされていないことがあります。
特に夏場は要注意です。外気温の影響を受けやすく、短時間でも高温になる可能性があります。
短頭種は体温調節が苦手なため、暑さによって呼吸が乱れ、そこから急激に状態が悪化するリスクに注意しなければなりません。熱中症と呼吸障害が同時に起こると、命に関わる非常に危険な状態になります。
理由4:強いストレスが呼吸トラブルを引き起こす可能性があるから
飛行機は、犬にとって刺激だらけの環境です。大きなエンジン音、強い振動、暗く狭い空間。これらは想像以上のストレスになります。
ストレスを感じると、犬はパンティング(ハァハァとした呼吸)をしやすくなりますが、短頭種ではこれがうまく機能しません。呼吸が浅く速くなり、空気を十分に取り込めなくなってしまうんです。
さらに、短頭種特有の「ブラキセファリック気道症候群」という呼吸器トラブルのリスクもあり、ストレスが引き金になることがあります。
理由5:短頭種は体温調節が苦手だから
犬は汗をかかないため、主にパンティングで体温を下げます。しかし短頭種は鼻や気道が短いため、効率よく熱を逃がせません。
その結果、体温が上昇して呼吸が荒くなり、さらに体温が上がるという悪循環に陥りやすくなります。
実際、米国運輸省の報告では、輸送中に亡くなった犬のうち、約半数が短頭種とのデータもあります。客観的な数字から見ても、短頭種の航空輸送が高リスクであることは明らかです。
パグなどの短頭種で実際に起きた飛行機の事故
これまでに、短頭種犬が飛行機輸送中に亡くなる事故はいくつも報告されています。多くは高温環境下での熱中症や、酸素不足による呼吸困難が原因でした。
搭乗前は元気に見えていても、環境変化に耐えきれず急変してしまうケースも少なくありません。
事故の主な原因として挙げられているのは、高温環境下での熱中症や、低酸素状態による呼吸困難です。飛行機の貨物室は一定の温度管理がされているものの、地上待機時間や外気温の影響を受けやすく、特に夏場は短時間でも犬にとって危険な環境になることがあります。
こうした事故が積み重なった背景から、多くの航空会社では短頭種犬の輸送を制限、もしくは禁止する判断に至りました。
ルールが厳しく感じられるかもしれませんが、いずれも過去の事故を教訓とした「命を守るための措置」であることを、飼い主さん自身が理解しておくことが大切です。
【航空会社別】パグの飛行機搭乗ルールまとめ
航空会社によって、パグや短頭種の扱いは大きく異なります。
ここでは、主要航空会社の搭乗ルールをまとめました。
主要航空会社(JAL・ANA)の場合
日本の主要航空会社である、JALとANAでも、ルールはかなり厳しめです。
《JAL》
- フレンチブルドッグ、ブルドッグは年間を通して預け不可
- パグは一律不可ではないが、季節や個体条件によって個別確認が必要
《ANA》
- 5月1日〜10月31日は短頭種全般の預かり中止
- 冬季は条件付きで預かり可能な場合あり
国内大手であっても制限は厳しく、事前確認が必須です。
LCCの場合
LCC(格安航空会社)は、基本的にペットの預かり自体を行っていません。
ジェットスター、ピーチともに、貨物室預け・客室同伴いずれも不可であるため、パグを連れて移動する上での選択肢にはなりません。
その他航空会社の場合(海外を含む)
スカイマークやスターフライヤーなども、短頭種は制限または個別判断となることが多いです。
海外では、ルフトハンザやデルタ航空などが、短頭種輸送を禁止または厳しく制限しています。そのため、搭乗予定の航空会社には、必ず事前に直接確認することが不可欠です。
パグを飛行機に安全に乗せるために!5つの対策を確認しよう
ここでは、パグを安全に飛行機に乗せるための対策について、以下の5つを紹介します。
- 獣医師による健康診断の実施
- 規格に適合したケージを用意する
- 暑さ・寒さ対策を徹底する
- ストレス軽減のための準備をする
- 緊急連絡先と保険を確認しておく
それぞれの項目を押さえ、もし飛行機に乗せる場合はできる限り安全な環境を整えましょう。
対策1:獣医師による健康診断の実施
パグを飛行機に乗せる場合、事前の健康診断は欠かせません。搭乗の約1か月前と、出発直前の2回受診することで、体調の変化を把握しやすくなります。
特に短頭種は、見た目では分かりにくい呼吸器の異常を抱えていることも多いため、気道の状態や心肺機能を重点的に診てもらうことが大切です。
過去に呼吸が荒くなりやすかった、暑さに弱いと感じたことがある場合は、必ず獣医師に伝えましょう。
対策2:規格に適合したケージを用意する
飛行機での輸送には、IATA(国際航空運送協会)のガイドラインに準拠したケージを使用する必要があります。短頭種の場合、特に換気性が重要になるため、通気口が十分に確保されたタイプを選びましょう。
サイズも「中で立ち上がり、向きを変えられる」余裕があることが基本です。狭すぎるケージはストレスや呼吸悪化の原因になります。さらに、当日いきなり入れるのではなく、事前に自宅でケージに慣れさせておくことが大切です。
対策3:暑さ・寒さ対策を徹底する
短頭種は体温調節が苦手なため、温度対策は命に直結します。夏場は保冷剤や冷感マットを活用し、ケージ内の温度上昇をできるだけ抑えましょう。
ただし、直接体に当たりすぎないよう配置には注意が必要です。また、脱水を防ぐために給水器の設置も欠かせません。
暑さ対策については、以下の記事も参考にしてください。
愛犬との夏のお出かけ対策ガイド!気をつけたいポイント5つと対策まとめ
対策4:ストレス軽減のための準備をする
飛行機移動は、犬にとって大きなストレスになります。
少しでも安心できるよう、ケージの中には普段使っているタオルやお気に入りのおもちゃを入れてあげましょう。自分の匂いがするものがあるだけで、落ち着きやすくなります。
また、事前にクレートトレーニングを行い、「中に入る=安全で落ち着ける場所」と認識させておくことも重要です。
対策5:緊急連絡先と保険を確認しておく
万が一の体調不良に備え、事前準備も怠らないようにしましょう。かかりつけの動物病院の連絡先は、すぐ確認できるようスマートフォンや紙に控えておくと安心です。
また、到着地周辺の動物病院を事前に調べておくことで、緊急時の対応がスムーズになります。
加えて、加入しているペット保険が「移動中のトラブル」に適用されるかどうかも確認しておきましょう。
パグを飛行機に乗せない選択肢も考えよう
「本当に飛行機に乗せる必要があるのか」を一度立ち止まって考えることも大切です。ペットホテルや信頼できる知人に預ける、車や新幹線で移動するなど、他の選択肢もあります。
実際、海外移住の際にパグを日本に残す決断をした飼い主さんもいます。
「一緒に行きたい気持ち」より「命を守る判断」を優先した結果なんですね。愛犬の安全を最優先に考え、後から後悔しない選択をしましょう。
まとめ:パグの飛行機搭乗は慎重な判断が大切
パグは短頭種特有の理由から、飛行機搭乗に高いリスクがあります。
航空会社ごとの厳しい制限、実際の事故例を知ったうえで判断することが重要です。どうしても搭乗する場合は、事前準備と対策を徹底しましょう。
それでも迷ったら「乗せない選択」も立派な愛情です。愛犬の命を守る行動を選んでくださいね。
著者
DogLife編集部


