04 April.
犬のブラッシングやりすぎは危険?愛犬を守る正しい頻度とケア方法
犬のブラッシングのやりすぎは皮膚トラブルや被毛ダメージの原因に。毛質別の適切な頻度・正しいやり方・やりすぎのサインを詳しく解説します。

「愛犬のためにしっかりブラッシングしてあげたい」
——そんな気持ちから、つい毎日長時間ブラッシングしていませんか?
実は、犬のブラッシングはやりすぎると皮膚トラブルや被毛のダメージにつながることがあります。良かれと思ってやっていたケアが、逆に愛犬を傷つけてしまっていたら悲しいですよね。
この記事では、ブラッシングのやりすぎで起こるリスク、毛質別の適切な頻度、そして愛犬に負担をかけない正しいブラッシング方法を詳しく解説します。「うちの子、ブラッシングしすぎかも?」と不安に感じている飼い主さんは、ぜひ最後まで読んでみてください。
犬のブラッシングをやりすぎるとどうなる?5つのリスク

「ブラッシングは毎日やるべき」という情報を見て、一生懸命お手入れしている飼い主さんは多いと思います。もちろんブラッシング自体はとても大切なケアですが、やりすぎには注意が必要です。
ここでは、ブラッシングをやり過ぎた時に愛犬に与える5つのリスクを紹介します。
1. 皮膚の炎症・擦過傷(ブラシ焼け)
ブラッシングのやりすぎで最も多いトラブルが、皮膚への直接的なダメージです。
同じ箇所を何度もブラシで擦ると、擦過傷(さっかしょう)と呼ばれる傷がつくことがあります。トリマーの間では「ブラシ焼け」とも呼ばれ、皮膚が赤くなったり、ヒリヒリとした痛みを伴うこともあります。
特にスリッカーブラシはピンが細く鋭いため、力加減を間違えると皮膚を傷つけやすいので注意が必要です。
2. 皮脂の過剰除去による乾燥・フケ
犬の皮膚と被毛には、天然の皮脂(油分)が存在しています。この皮脂は被毛のツヤを保ち、皮膚のバリア機能を維持する大切な役割を果たしています。
過度なブラッシングを続けると、この皮脂まで取り除いてしまい、以下のような症状が現れることがあります。
- 被毛がパサパサになる
- フケが増える
- 皮膚が乾燥してかゆみが出る
「しっかりブラッシングしているのにフケが出る」という場合は、やりすぎが原因かもしれません。
3. 被毛の切れ毛・ダメージ
ブラシを強く引っ張ったり、長時間ブラッシングし続けると、摩擦によって被毛が切れたり、毛先が傷んだりすることがあります。
特に長毛種の場合、毛玉を無理にほどこうとして強く引っ張ると、毛が途中で切れてしまい、かえって毛並みが悪くなってしまいます。
4. アンダーコートの取りすぎ
ダブルコートの犬種(柴犬、ゴールデンレトリバー、ポメラニアンなど)には、外側のオーバーコートと内側のアンダーコートがあります。
換毛期に抜け毛を取り除くのは大切ですが、アンダーコートを取りすぎると体温調節や紫外線から皮膚を守る機能が低下してしまいます。
「ブラシにごっそり毛がつくのが気持ちよくて、つい何度もやってしまう」という飼い主さんは特に注意してくださいね。
5. 愛犬のストレス・ブラッシング嫌いの原因に
長時間のブラッシングや痛みを伴うブラッシングは、愛犬にとって大きなストレスになります。
一度「ブラッシング=痛い・嫌なもの」と学習してしまうと、ブラシを見ただけで逃げたり、唸ったりするようになることも。こうなると日常のお手入れ自体が難しくなり、毛玉や皮膚トラブルの悪循環に陥ってしまいます。
【毛質別】犬のブラッシングの適切な頻度と時間の目安

「じゃあ、どのくらいの頻度でブラッシングすればいいの?」と気になりますよね。
適切なブラッシングの頻度は、愛犬の毛質(被毛タイプ)によって異なります。以下の表を参考に、愛犬に合った頻度でケアしてあげましょう。
毛質別ブラッシング頻度の目安
毛質タイプ | 代表的な犬種 | 推奨頻度 | 1回の目安時間 |
|---|---|---|---|
短毛・スムースコート | フレンチブルドッグ、ミニチュアピンシャー、ビーグル | 週2〜3回 | 5分程度 |
中毛・ダブルコート | 柴犬、コーギー、ゴールデンレトリバー | 毎日〜2日に1回 | 10〜15分 |
長毛・シルキーコート | ヨークシャーテリア、マルチーズ、シーズー | 毎日 | 10〜15分 |
巻き毛・カーリーコート | トイプードル、ビションフリーゼ | 毎日 | 10〜15分 |
ワイヤーコート | ミニチュアシュナウザー、ワイヤーフォックステリア | 週3〜4回 | 10分程度 |
換毛期はブラッシングの頻度を上げてOK
ダブルコートの犬種は、春と秋の換毛期に大量の毛が抜けます。この時期は通常より頻度を上げて、1日1〜2回ブラッシングしてあげましょう。
ただし、1回あたりの時間は通常と同じ10〜15分程度にとどめるのがポイントです。「1回を長くする」のではなく「回数を増やす」ことで、皮膚への負担を抑えながら抜け毛をケアできます。
ブラッシングは「毎日やるべき」は本当?
「犬のブラッシングは毎日やりましょう」という情報をよく目にしますが、これはすべての犬種に当てはまるわけではありません。
短毛種の場合、毎日ブラッシングすると刺激が強すぎることもあります。愛犬の毛質と皮膚の状態を見ながら、上の表を参考に頻度を調整してみてください。
やりすぎを防ぐ!犬の正しいブラッシング方法

適切な頻度がわかったところで、次は正しいブラッシングのやり方を確認しましょう。
ステップ1: 愛犬の毛質に合ったブラシを選ぶ
ブラシ選びを間違えると、適切な頻度でブラッシングしていても皮膚を傷つけてしまうことがあります。
ブラシの種類 | 向いている毛質 | 特徴 |
|---|---|---|
ラバーブラシ | 短毛種 | 皮膚に優しく、マッサージ効果もある |
獣毛ブラシ | 短毛〜中毛種 | 毛ヅヤを出す仕上げ用に最適 |
スリッカーブラシ | 中毛〜長毛種 | 毛玉ほぐしに効果的だが、力加減に注意 |
ピンブラシ | 長毛種 | スリッカーより皮膚に優しい |
コーム | 全毛質 | 仕上げ・毛玉チェックに使用 |
ポイント
スリッカーブラシを使う場合は、手の甲にブラシを当ててみて、痛くない程度の力加減を確認してから使い始めましょう。
ステップ2: ブラッシングスプレーで摩擦を軽減する
乾いた被毛にいきなりブラシを当てると、摩擦で毛が傷みやすくなります。ブラッシングスプレーや保湿ミストを軽く吹きかけてから始めると、ブラシの通りが良くなり、被毛へのダメージを軽減できます。
ステップ3: 毛の流れに沿って優しくブラッシングする
正しいブラッシングの手順は以下の通りです。
- 毛先からほぐす: いきなり根元からブラシを入れず、毛先の絡まりからほぐす
- 毛の流れに沿って動かす: 逆毛にブラッシングすると皮膚を傷つけやすい
- 少量ずつ分けてとかす: 一気に広範囲をやらず、少しずつ毛をかき分けながら進める
- 最後にコームで確認: コームがスムーズに通れば完了のサイン
ステップ4: 時間を決めてタイマーを活用する
「気づいたら30分もブラッシングしていた」という経験はありませんか?
やりすぎを防ぐ一番シンプルな方法は、タイマーをセットすることです。1回10〜15分を目安にタイマーをかけて、時間が来たら途中でもやめる習慣をつけましょう。
こんなサインが出たらやりすぎかも?チェックリスト
[画像: タイマーを横に置いてブラッシングしている飼い主の写真]
以下の症状が愛犬に見られる場合、ブラッシングのやりすぎが原因かもしれません。チェックしてみてください。
皮膚に現れるサイン
- □ ブラッシング後に皮膚が赤くなっている
- □ フケが以前より増えた
- □ 皮膚をしきりに掻いたり舐めたりしている
- □ ブラッシングした箇所にかさぶたができている
被毛に現れるサイン
- □ 毛ヅヤがなくなり、パサパサしている
- □ 切れ毛が目立つようになった
- □ 以前よりも毛が薄くなった気がする
行動に現れるサイン
- □ ブラシを見ると逃げる・隠れる
- □ ブラッシング中に唸る・噛もうとする
- □ ブラッシング中にずっと体を硬くしている
2つ以上当てはまる場合は、ブラッシングの頻度・時間・力加減を見直してみましょう。皮膚に明らかな炎症やかさぶたが見られる場合は、獣医師に相談してください。
犬のブラッシングに関するよくある質問
Q. 子犬のブラッシングはいつから始めるべきですか?
生後2〜3ヶ月頃から、柔らかいブラシで短時間のブラッシングに慣れさせるのがおすすめです。最初は1〜2分程度でOK。「ブラシ=気持ちいいもの」と覚えてもらうことが大切なので、おやつを使いながら少しずつ慣らしていきましょう。
Q. 毛玉ができてしまった場合、自分でほどいても大丈夫ですか?
小さな毛玉であれば、スリッカーブラシで少しずつほぐせます。ただし、皮膚に張り付くほど固くなった毛玉は無理にほどかず、トリマーや動物病院に相談してください。無理に引っ張ると皮膚を傷つけたり、痛みでブラッシング嫌いになる原因になります。
Q. ブラッシング中に毛がたくさん抜けるのは異常ですか?
換毛期(春・秋)であれば、ダブルコートの犬種は大量に毛が抜けるのは正常です。ただし、換毛期以外で急に抜け毛が増えた場合や、一部分だけ毛が薄くなっている場合は、皮膚疾患やアレルギーの可能性もあるため、獣医師への相談をおすすめします。
Q. ブラッシングを嫌がる犬にはどう対応すればいいですか?
まずは嫌がる原因を考えてみましょう。痛みが原因なら、ブラシの種類や力加減を見直します。それでも嫌がる場合は、以下のステップで少しずつ慣らしていくのが効果的です。
- ブラシを見せるだけでおやつをあげる
- ブラシで体に軽く触れるだけでおやつをあげる
- 1〜2回ブラッシングしておやつをあげる
- 少しずつ回数と時間を増やす
焦らず、愛犬のペースに合わせることがポイントです。
まとめ
犬のブラッシングのやりすぎについて解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。
- やりすぎると皮膚トラブル・被毛ダメージ・ストレスの原因になる
- 適切な頻度は毛質によって異なる(短毛種は週2〜3回、長毛種は毎日)
- 1回のブラッシングは10〜15分を目安に、タイマーを活用する
- 毛質に合ったブラシを選び、毛先からやさしくほぐすのが正しいやり方
- 皮膚の赤み・フケ・ブラシ嫌いはやりすぎのサイン。見逃さずに対応を
ブラッシングは愛犬の健康を守る大切なコミュニケーションの時間です。「やりすぎ」に気をつけながら、愛犬が気持ちよくなれるブラッシングタイムを楽しんでくださいね。
著者
DogLife編集部



