15 February.
犬が寝てばかり・体調不良のときはどうしたらいい?受診の目安は?
「これって病気?それとも様子見で大丈夫?」と悩んでいる飼い主さんに向けて、受診の目安や、家でチェックすべきポイントをわかりやすく解説します。

「あれ、今日はなんだかずーっと寝てるな…」 「散歩に行こうって誘っても、なんだか乗り気じゃないみたい」
愛犬のそんな姿を見ると、胸がギュッとなりますよね。言葉が話せないワンちゃんだからこそ、ちょっとした変化が大きな不安に繋がるものです。
単に「眠いだけ」ならいいのですが、実はその裏に体調不良のサインが隠れていることも。
この記事では、「これって病気?それとも様子見で大丈夫?」と悩んでいる飼い主さんに向けて、受診の目安や、家でチェックすべきポイントをわかりやすく解説します。
犬が「寝てばかり」なのは体調不良?考えられる理由
まず大前提として知っておきたいのが、犬の平均睡眠時間です。成犬で12〜15時間、子犬やシニア犬になると18時間以上寝ていることも珍しくありません。一日の半分以上を寝て過ごすのが「犬の普通」なのです。
しかし、問題は「寝ている時間の長さ」ではなく、「寝ているときの様子」と「起きたときの反応」です。
生理的に必要な眠りであれば、飼い主さんが名前を呼んだり、冷蔵庫を開ける音がしたりすれば、耳をピクッと動かしたりパッと起き上がったりします。目はキラキラとしていて、活動時間には元気に動き回ります。
一方で、体調不良による「嗜眠(しみん)」は違います。体がだるい、どこかが痛い、熱があるといった理由で「動きたくても動けない」状態です。声をかけても視線だけを向けて体が動かなかったり、大好物のオヤツを鼻先に持っていっても無視したりする場合は、体が何らかのダメージを受けているサインです。
見逃さないで!犬が体調不良のときに見せる「しぐさ」と「サイン」
犬は野生時代の名残から、自分の弱みを周囲に隠そうとする本能を持っています。群れの中で弱った姿を見せると、外敵に狙われたり、群れから置いていかれたりするリスクがあったためです。そのため、目に見えて「痛い!」と鳴き叫ぶときは、相当な苦痛を感じているとき。
裏を返せば、初期の体調不良は「さりげないしぐさ」に現れます。
チェックすべきは、まず「目」と「顔」です。 どんよりと濁ったような目をしていたり、瞬膜(目頭から出る白い膜)が出ていたりしませんか? また、耳が力なく後ろに倒れたままだったり、口角が下がってハァハァと浅い呼吸(パンティング)を繰り返したりしているのも、痛みをこらえているサインであることが多いです。
次に「行動」の変化です。 いつもはリビングの真ん中でへそ天で寝ている子が、急に部屋の隅や机の下、暗いクローゼットの中などに閉じこもるようになったら要注意です。これは「静かな場所で体を休め、回復を待とう」とする動物本来の防御行動。また、背中を丸めて歩く、足取りが重い、階段を嫌がるといった動きの変化も、体調が悪いサインです。
【症状別】これって緊急事態?受診の目安チェックリスト
震えがある場合
ワンちゃんがプルプルと震えていると、見ている方も辛いですよね。震えの理由は大きく分けて「心理的」「物理的」「病的」の3つです。
- 様子を見て良いケース: 気温が低くて寒い(服を着せたり暖房を入れたりして止まるならOK)、雷や花火の音に怯えている、病院に行く直前で緊張しているなど。
- すぐに受診すべきケース: 暖かい場所にいるのに震えが止まらない。震えとともに意識がボーッとしている。また、体が硬直してガクガクと大きく震える(痙攣)場合は、脳の疾患や中毒、重度の低血糖の恐れがあるため、迷わず救急病院へ連絡してください。
嘔吐・下痢がある場合
犬は比較的吐きやすい動物ですが、中には危険なサインも。
- 様子を見て良いケース: 草を食べて胃液を吐いたが、その直後から元気いっぱいでご飯も欲しがる。便も一度だけ少し緩かったが、その後は形のある便が出ている。
- すぐに受診すべきケース: 短時間に何度も繰り返す。吐瀉物に血が混じっている(真っ赤、あるいはコーヒーのような色)。水のような下痢が止まらず、ぐったりしている。嘔吐と下痢が同時に起きている場合は、急速に脱水が進むため、特に小型犬やシニア犬にとっては命に関わります。
ご飯を食べない・水を飲まない場合
「食欲」は犬の健康のバロメーターそのものです。
- 様子を見て良いケース: 「ドッグフードは食べないけど、ササミやオヤツなら喜んで食べる」という場合、単なるわがままや選り好みの可能性が高いです。また、夏バテで少し食が細くなることもあります。
- 受診を検討すべきケース: 大好物さえ見向きもしない。24時間以上(子犬なら12時間以上)何も食べていない。特に「水さえ飲まない」状態は非常に危険です。内臓疾患、感染症、あるいは口腔内の激しい痛みなどが考えられます。
寝方にも注目!体調が悪いときの「寝相」の特徴
実は「寝方」を見るだけで、どこが不調なのか推測できることがあります。普段の愛犬の寝相と比較してみてください。
- 「祈りのポーズ」を頻繁にする: 前足を床にペタンとつけ、お尻だけを高く上げた姿勢です。これは「伸び」をしているのではなく、お腹の激痛を逃がそうとしているポーズ。膵炎(すいえん)などの消化器系の重い疾患で見られるサインです。
- 伏せの姿勢で頭を上げたまま: 横になってぐっすり寝たいはずなのに、ずっと伏せの状態で首を持ち上げ、苦しそうに呼吸をしていませんか? これは、横になると胸が圧迫されて苦しい「心臓病」や「肺の病気」で見られる姿勢です。
- 壁に頭を押し付けて寝る(立つ): 壁の隅っこに頭をグーッと押し付けて動かない場合、脳神経系の疾患が疑われます。
もし「なんだか変な格好で固まっているな」と感じたら、それはリラックスしているのではなく、その姿勢でないと苦痛に耐えられないのかもしれません。
病院に行く前に!獣医師に伝えるべき「情報の整理」
いざ動物病院に行くと、心配のあまり「先生、とにかく元気がないんです!」としか言えなくなってしまうことがあります。しかし、的確な診断には飼い主さんからの具体的な情報が不可欠です。診察室でパニックにならないよう、以下の項目をメモしておきましょう。
- いつから?: 「今日の昼から急に」「ここ3日くらい徐々に」など。
- どれくらい?: 嘔吐は何回? 下痢は何回? ご飯は普段の何割食べた?
- 付随する症状: 「寝てばかりいる」以外に、震え、よだれ、咳、鼻水などはあるか。
- 排泄物の状態: 便や尿、吐瀉物の写真があると最強です。可能であればラップに包んで持参しましょう。
- 動画: 実はこれが一番重要。病院では緊張して症状が出ない子が多いので、おうちでの「変な歩き方」「震え」「呼吸の様子」をスマホで1分ほど撮影して先生に見せてください。
おうちでできるケアと安静のコツ
「今は夜中だし、明日の朝一番で病院に行こう」と判断した場合や、受診後に自宅で療養させる場合、以下のポイントを守って安静にさせてあげてください。
静かな暗い場所で落ち着かせてあげる
まずは「静かさ」と「暗さ」を確保します。テレビの音や家族の話し声が届かない、落ち着ける場所に寝床を作ってあげましょう。また、体温調節機能が落ちていることが多いため、夏なら25度前後、冬なら20〜23度程度を目安に室温を管理します。
絶食させる
嘔吐がある場合は、胃腸を休めるために一旦食事を控えるのが基本です。ただし、自己判断での断食は低血糖を招く恐れがあるため、必ず獣医師の指示を仰いでください。水分補給は、自力で飲めるなら少しずつ。無理やりシリンジで飲ませると誤嚥(肺に水が入ること)の原因になるので注意が必要です。
心配しすぎない
心配で何度も「大丈夫?」と話しかけたくなりますが、体調が悪いときは触られること・話しかけられる自体がストレスになることも。優しく見守り、「いつも通り飼い主さんがそばにいるよ」という安心感を与えてあげるのが一番の薬です。
まとめ:愛犬の「いつもと違う」は飼い主さんの直感が正解
犬の健康管理において、もっとも信頼できるのは検査データでも教科書でもなく、毎日一緒に過ごしているあなたの「直感」です。
「いつもはもっと尻尾を振るのに」 「いつもならオヤツの袋の音で飛んでくるのに」 「なんだか今日の寝顔、辛そう……」
そんな小さな違和感こそが、愛犬からのSOSです。たとえ病院に行って「特に問題ありませんでしたよ、寝不足かな?」と言われたら、それはそれで安心できますよね。
自宅で安静にしていても症状が改善しない場合には、「いつから」「どんなふうに」体調が悪いのかを整理して病院に連れて行ってあげてくださいね。
著者
DogLife編集部



