20 January.
なぜ私だけ?犬が家族の中で「噛む人」と「噛まない人」を分ける5つの理由と対策
犬が家族の中で「噛む人」と「噛まない人」を作るのには、理由があります。

「愛犬を家族全員で可愛がっているはずなのに、なぜか私だけ噛まれる……」そんな悩みを抱えていませんか?一生懸命お世話をしているのに、自分だけがガブリとやられてしまうと、ショックですし「嫌われているのかな?」と悲しくなってしまいますよね。
実は、犬が家族の中で「噛む人」と「噛まない人」を作るのには、理由があります。それは決して嫌いだからではなく、犬なりに相手の反応を学習した結果であることがほとんどです。この記事では、犬が人を見分ける5つの理由と、家族全員が穏やかに過ごすためにやるべきことを詳しく解説します。
犬が家族の中で「噛む人」と「噛まない人」を分ける5つの理由
犬が特定の人を噛むとき、そこには「この人なら噛んでも大丈夫」「この人を噛むと面白いことが起きる」という学習が隠れています。なぜあなただけが選ばれてしまうのか、その5つの理由を見ていきましょう。
リアクションが面白く「遊び」だと思われている
犬が噛みついた瞬間に「痛い!」「やめて!」と高い声で叫んだり、手をバタバタと振り回したりしていませんか?人間にとっては悲鳴や拒絶のつもりでも、犬にはそれが「飼い主さんが一緒に盛り上がって遊んでくれている」というポジティブな合図に聞こえてしまいます。特に興奮しやすい性格の犬にとって、過剰なリアクションを返してくれる人は、格好の「遊び相手」です。一度「この人を噛めば楽しい反応が返ってくる」と学習してしまうと、退屈した時や構ってほしい時のターゲットとして、真っ先に選ばれるようになってしまいます。
噛めば要求が通ると学習している
犬は非常に賢く、「どうすれば自分の思い通りになるか」を常に観察しています。例えば、犬に噛まれた拍子に驚いておやつを落としてしまったり、痛がっている隙に犬が禁止されていたソファに飛び乗るのを許してしまったりといった経験はありませんか?このように、噛むという行為の直後に犬にとって得なことが起きると、犬は「噛めば願いが叶う」という成功体験を積んでしまいます。特定の家族に対してだけ噛む場合、その人が最も「噛むことでコントロールしやすい相手」だと認識されている可能性が高いと言えます。
接し方が予測不能で恐怖心を与えている
犬にとって「何をされるかわからない」という不安は、大きなストレスとなります。頭の上から急に手を出して触ろうとしたり、気持ちよく寝ている時に突然抱き上げたりするなど、犬の視点に立たない接し方は、防衛本能としての噛みつきを誘発します。特に、普段から動作がクイックで不規則な人や、大きな物音を立てやすい人は、犬に警戒心を抱かせやすい傾向にあります。犬は自分を守るために「これ以上近づかないで」というメッセージとして噛んでおり、これは攻撃性というよりも恐怖心の裏返しであることがほとんどです。
犬が発している「嫌がるサイン」を無視している
犬は噛みつく前に、必ずと言っていいほど「カーミングシグナル」と呼ばれるサインを出しています。目をそらす、鼻の頭をなめる、あくびをする、体を硬直させるといった動きは、犬なりの「やめてください」という意思表示です。これらのサインに気づかず、しつこくなで続けたり顔を近づけたりする人は、犬にとって「話を聞いてくれない人」になってしまいます。何度も無視された結果、犬は「噛まないと伝わらない」と判断し、最終手段として実力行使である噛みつきを選ぶようになるのです。
ルールが曖昧で一貫性がない
家族の中で一人だけルールが甘い、あるいはその日の気分で叱ったり許したりする人は、犬から見て非常に不安定な存在です。お父さんは厳しく禁止しているのに、お母さんは噛まれても笑っているという状況では、犬は何が正しいのか理解できず、混乱から自分の要求を押し通そうとします。犬がわがままを通すために噛むようになるということです。
犬に噛まれる人と噛まれない人の違い
犬に噛まれやすい人の大きな特徴の一つに、「一貫性のなさ」が挙げられます。昨日は噛んでも笑って許してくれたのに、今日はひどく怒られたというように、ルールが曖昧だと犬は混乱し、自分の要求を通そうとして噛む行動に出やすくなります。特に、足を噛んだら歩くのをやめてくれた、手を噛んだらおやつが出てきたといった「噛む=要求が通る」という成功体験を与えてしまっている人は、格好のターゲットになりやすいのです。
一方で、噛まれない人は「犬の境界線(パーソナルスペース)」を尊重するのが上手です。犬が寝ている時や食事中、あるいは「今は構わないで」というサイン(目をそらす、あくびをする等)を出している時に、しつこく触ることはしません。噛まれない人は、犬にとって「自分の嫌がることをしない信頼できるパートナー」として認識されています。また、叱る時も感情的に怒鳴るのではなく、静かにその場を去るなど、犬が「噛んでも得をしない」と理解できる賢い対応をとっているのが特徴です。
【部位・状況別】これってどういう心理?
ここでは、部位やシチュエーション別に、犬が何を考えているのかを紐解いていきましょう。
なぜか「特定の人の足」ばかり噛む理由
家族の中でも、特定の人が歩いている時だけ足元を狙って噛んでくることがあります。これは多くの場合、動くものに対して反応する「狩猟本能」が刺激されている状態です。スリッパのパタパタという音や、急ぎ足で移動する様子が、犬には獲物のように見えてしまい、ついつい追いかけて噛み付いてしまうのです。これは攻撃性というよりも「遊び」の延長線上にありますが、放置するとエスカレートして大きな怪我に繋がるため、動きを止めて無視するなどの対策が必要です。
手や指を噛む理由
手や指は、犬にとって最も身近で動くターゲットです。なでようとした時に手を噛むのは、「今は触られたくない」という拒否のサインや、逆に「もっと遊んで!」という強い要求の表れです。特に家族に対して手噛みが多い場合は、過去に手を口に入れた時に追いかけっこが始まったり、声をかけてもらえたりした経験から、「手を噛めば構ってもらえる」と学習している可能性が高いです。また、指先は噛み心地が良いため、歯の生え変わり時期やストレス解消の対象にされることもあります。
服の袖や裾を引っ張る・噛む理由
服の袖やズボンの裾を噛んで引っ張る行動は、犬がその人を「自分の方へ引き寄せたい」あるいは「どこにも行ってほしくない」という制止の心理から来ることが多いです。外出際などに特定の家族にだけこれを行う場合は、分離不安や強い執着心が隠れていることもあります。また、ヒラヒラと動く布地は犬の好奇心をそそるため、単なるおもちゃとして遊んでいるケースも少なくありません。いずれにせよ、服を噛むことで「相手が止まってくれた」と犬に思わせないことが大切です。
家族にだけ「甘噛み」をするのはなぜ?
他人には決して噛まないのに家族にだけ甘噛みをするのは、それだけ家族を信頼してリラックスしている証拠です。犬にとって口は手の代わりであり、甘噛みは親愛の情を示すコミュニケーションでもあります。しかし、成犬になっても続く場合は「多少のわがままは許される」という甘えや、家族内での自分の立ち位置を確認しようとする心理も働いています。
家族全員で取り組む!噛み癖を直す3つのステップ
噛み癖の改善で最も大切なのは、家族全員で「対応を統一すること」です。お父さんは叱るけれど、お姉ちゃんは遊んでくれるといった状況では、犬はどう振る舞えばいいか分かりません。「噛んだら即座に遊びを中断し、全員が無視して部屋を出る」というルールを徹底しましょう。これを繰り返すことで、犬は「噛む=大好きな家族がいなくなる、つまらない」と学習します。このとき、声を出す必要はありません。無言で立ち去る方法が非常に効果的です。
次に、「噛まなかった時に最大限褒める」というポジティブなリアクションを取り入れます。例えば、いつもなら足を噛んでくるシチュエーションで、犬が座って待つことができたら、すかさずおやつをあげたり、褒めてあげたりしてください。
噛む行動の裏には、運動不足やエネルギー余りが隠れていることが多いものです。散歩や引っ張りっこ遊びなど、噛んでも良いおもちゃを使って正しくエネルギーを放出させてあげることで、人を噛むという問題行動を減らせますよ。
まとめ
犬が家族の中で「噛む人」と「噛まない人」を分けるのは、決して愛情に差があるからではなく、その人に対する「慣れ」や「反応の学習」が原因です。良かれと思って大きなリアクションをしたり、逆に犬の嫌がるサインを見逃してしまったりすることが、結果として噛み癖を助長しているケースも少なくありません。
大切なのは、家族の誰かが一人で悩むのではなく、全員が一貫したルールを持って愛犬に接することです。「噛んだら無視」「落ち着いていたら褒める」というシンプルなルールを家族全員で徹底すれば、犬は自然と正しい振る舞いを覚えていきますよ。
著者
DogLife編集部



