19 January.
子犬の噛み癖はいつまで?時期別のしつけ方と「自然に治る」は嘘?
本記事では、生後2ヶ月から4ヶ月以上の月齢別の噛む理由、おもちゃを使った具体的なしつけ方法、多くの飼い主さんが陥りがちな間違った対処法まで解説します。

「うちの子、どうしてこんなに噛むの?」「いつか治るって聞いたけど、本当?」と不安に感じていませんか。子犬に噛まれると、自分の育て方が悪いのかな、将来、凶暴な犬になったらどうしようと自信をなくしてしまうこともあるでしょう。
実は、子犬の噛み癖には月齢ごとの明確な理由があります。そして、何もしないまま自然に治るのを待つのはおすすめできません。
本記事では、生後2ヶ月から4ヶ月以上の月齢別の噛む理由、おもちゃを使った具体的なしつけ方法、多くの飼い主さんが陥りがちな間違った対処法まで解説します。
子犬の噛み癖はいつ治る?月齢別の理由と特徴
子犬が噛む行動には、その時期ならではの理由があります。「どうして噛むの?」を知ることで、イライラせずに対応できるようになりますよ。
生後2ヶ月:社会化不足
生後2ヶ月頃の子犬にとって、噛むことは「遊び」そのものです。本来であれば、この時期は兄弟犬や母犬と転げ回って遊び、強く噛みすぎると相手に怒られたり、遊びが中断したりすることで、「これ以上噛んだら痛いんだ」という加減を学びます。しかし、多くの家庭犬はこの大切な学習期間に親元を離れます。加減を知らないまま人間社会に来た子犬は、飼い主さんの手を兄弟だと思って全力で噛んでしまいます。この時期の甘噛みに悪意はありませんが、人間側が「それは痛いことだよ」と論理的に教えてあげない限り、噛む力のコントロールを覚えることはありません。
生後3ヶ月:歯の生え変わりとむずがゆさ
生後3ヶ月頃から子犬の乳歯は抜け始め、6ヶ月頃までにほとんどが永久歯に生え変わります。この時期の子犬の口の中は、歯の生え替わりでムズムズし、違和感があるというわけです。人間でも歯が生える時期の赤ちゃんが色々なものを口にするように、子犬もこの違和感を解消したくて、とにかく何かを噛まずにはいられなくなるのです。
家中の家具の角や飼い主さんの手を執拗に狙うのは、この違和感を紛らわせようとする行動です。この時期は、噛んでも良いおもちゃを与えてむずがゆさを解消できるようにしてあげるのがおすすめです。
生後4ヶ月〜:自己主張と要求噛み
生後4ヶ月以降になると、知恵がつき始め、自分の気持ちを伝える手段として噛むことが増えてきます。「もっと遊んでほしい」「ブラッシングが嫌だからやめて」といった意思表示です。ここで怖いのは、犬が「噛んだら飼い主さんが構ってくれた」「噛んだら嫌なことが止まった」という成功体験を積んでしまうことです。犬は学習能力が非常に高いため、一度でも「噛めば自分の思い通りになる」と覚えてしまうと、それを武器として使うようになります。この段階で「自然に治る」のを待つのは危険で、人間社会のルールとして毅然とマナーを教えるべき時期と言えます。
今日から実践できる子犬の噛み癖を直す4つの対策
噛み癖を直す基本は、叱り飛ばすことではなく「噛んでいいもの」と「いけないもの」の区別を教えることです。具体的で効果的な4つのステップを見ていきましょう。
噛んでいいおもちゃを賢く活用する
子犬が手を噛もうとした瞬間に、すかさず「噛んでいいおもちゃ」を差し出してください。ここでのコツは、おもちゃを生きている獲物のように動かすことです。ただ差し出すだけでは、動く人間の手足の方が魅力的に見えてしまいます。ロープや天然ゴム製の玩具を左右に素早く振ったり、床を不規則に這わせたりして子犬の注意を引き、「手よりもこっちを噛む方がずっと楽しい!」と思ってもらいましょう。おもちゃを噛んでいる間にたくさん褒めてあげることで、子犬は「おもちゃを噛むのが正解なんだ」と理解できるようになります。
「痛い!」と伝えて無視する
おもちゃを差し出しても執拗に手を狙ってくる場合は、噛まれた瞬間に「痛い!」と短く鋭く伝え、すぐに立ち上がって部屋を出てください。子犬にとって飼い主さんと遊べなくなることは最大の罰です。「強く噛むと、楽しい遊びの時間が終わってしまう」ということを、何度も繰り返し学習させることが重要です。戻ったときに子犬が落ち着いていたら、優しく声をかけて遊びを再開し、噛むのはいけないことだと根気強く教えていきましょう。
ケージ(ハウス)でクールダウンさせる
子犬は興奮しすぎると自分でも感情のコントロールが効かなくなり、噛みつきがエスカレートしたり、狂ったように暴れることがあります。こうなってしまった子犬を言葉で落ち着かせるのはほとんど無理だと言えるでしょう。
このような時は、「落ち着かせるため」にケージ(ハウス)で休ませましょう。この時、怒鳴ったり乱暴に押し込んだりしてはいけません。無言もしくは穏やかな声で誘導し、ケージの中で落ち着くのを待ちます。暗い布をかけて視界を遮るのも効果的です。
噛み癖がひどい時のチェックリスト
しつけを頑張っているのに噛み癖が改善されない場合、子犬の生活環境に問題があるかもしれません。以下の3つのポイントを見直してみましょう。
運動不足や刺激不足はないか
子犬のエネルギーは想像以上にエネルギッシュです。室内で頭を使う遊びが足りていないと、そのフラストレーションが噛み癖として現れます。体力が有り余っている子犬は、エネルギーの発散先として飼い主さんを噛んでしまうのです。フードを隠して探させる「ノーズワーク」や、噛むと中からおやつが出る知育玩具の導入を検討してみてください。「脳」が疲れて、満足した子犬は、イタズラをする元気もなくぐっすりと眠ってくれるようになり、噛み癖も自然と落ち着いていくはずです。
飼い主が過剰な反応をしていないか
飼い主の行動が悪影響を与えているパターンです。噛まれた時に「あー!ダメ!」と高い声で騒いだり、バタバタと手足を動かして逃げたりしていませんか。子犬の目には、その反応が「飼い主さんも一緒に盛り上がっている!」「獲物が動いていて楽しそう!」と映ってしまっています。
噛んだことを怒られていると認識せず、むしろ褒められていると認識するパターンですね。
噛まれた時は、ロボットのように無表情で、落ち着いて対処することで、子犬も「噛んでも面白くないな」と気づくようになります。
睡眠時間がしっかり確保されているか
子犬に必要な睡眠時間は、1日に約18時間から20時間と言われています。
しかし、リビングで常に誰かが動いている環境では、子犬は深く眠れず、慢性的な寝不足からイライラして噛みつきやすくなります。
人間の子どもが眠くてぐずるのと同じで、ひどく興奮して噛むときは、実は眠くて仕方がないサインであることも多いのです。愛犬の成長のためにも、質の良い眠りをサポートしてあげてください。
やってはいけないNGなしつけ
良かれと思ってやっていることが、実は噛み癖を悪化させているケースがあります。愛犬との信頼関係を壊さないために、以下の行為は避けましょう。
叩く・怒鳴るなどの体罰
最も避けるべきは、体罰です。叩いたり、怒鳴ったり、鼻先を強く弾いたりする行為は厳禁です。痛みで噛むのをやめるかもしれませんが、それは「いけない理由」を理解したのではなく、単に恐怖で固まっているだけです。これを続けると、飼い主さんを「怖い人」だと認識するようになり、成長するにつれ、自分を守るためにさらに激しく噛みつく「防衛本能」を刺激することになりかねません。一度壊れてしまった信頼関係を修復するのは非常に時間がかかります。叩くのではなく、どうすれば伝わるかを考え、愛情を持って根気強く接してあげることが大切です。
口の中に手を突っ込む
「噛まれたら口の中に手を突っ込んで不快感を与える」という古いしつけ方法もありますが、これも危険です。犬に強いストレスを与えるだけでなく、手を嫌がるようになり、将来的に歯磨きや診察が一切できなくなるリスクがあります。本来、飼い主さんの手は「心地よく撫でてくれるもの」「おいしいごはんをくれる嬉しいもの」であるべきです。手に恐怖心を抱かせてしまうと、愛犬とのスキンシップが取れなくなるだけでなく、健康管理の面でも大きな支障が出てしまいます。不快感を与えるしつけではなく、正しい行動を導くしつけを心がけましょう。
家族でルールがバラバラ
「お父さんは厳しく叱るけれど、子供たちは笑って噛ませている」という環境では、子犬は何が正解かわからず混乱し、学習が全く進みません。家族間でルールが統一されていないことは、しつけを長期化させる最大の原因の一つです。家族全員がチームとなり、「噛まれたらすぐに無視する」「おもちゃにすり替える」というルールをしっかり守ってください。全員が同じ反応をすることで、子犬はルールを理解できるようになります。
まとめ:子犬の噛み癖はなおる
子犬の噛み癖は、出口が見えないように感じてしまうかもしれません。しかし、今回お伝えしたように、噛む行動には必ず理由があります。生後3ヶ月頃から始まる歯の生え変わりや、遊びを通じたコミュニケーションなど、成長過程のひとつであることを理解してあげることが、とても大切です。
大切なのは、叱ってやめさせることではなく、「噛んでいいおもちゃ」を教え、一貫した態度で「噛んでもいいことはない(遊んでもらえない)」と伝えていくことです。家族全員で根気強く向き合えば、子犬は必ず人間社会のマナーを覚えてくれます。
いつか「あんなにガブガブ噛まれていた時期もあったね」と笑える日がやってきます。そんな日が来ることを信じて、根気強く接してあげてくださいね。
著者
DogLife編集部



